Sun.pngいま、私たちの心におこっていること


(このページの内容は、直接災害に遭われていない非被災者を対象にしています。)

2011年3月11日に起こった東日本大震災は、日本中に大きな衝撃を与えました。

被災地では、多くの人や動物たちがこの災害によって命を落とし、助かった人には、住居の喪失や愛する家族との突然の別れという、想像を超える苦しい現実が突きつけられています。日本中がこの災害に心を痛め、原発事故という新たな問題に不安な日々を送っています。

大きな災害・事故・犯罪などのショックな出来事は、当事者の心に大きなダメージを与えます。

こういった非日常的な出来事は、当事者以外の人(下記)にも当事者と同じようにダメージを与え、身体や心に様々な反応をもたらすのです
 ・テレビなどで災害時の凄まじい映像を見た一般の人
 ・現地で当事者の救援にあたっている消防・自衛隊・警察・医療従事者
 ・現地で当事者の支援にあたっているボランティアの人たちなど

こんな変化を感じていませんか?
体や行動のこと

・頭痛や肩こりがひどくなった。

・下痢や便秘ぎみ

・眠れない、寝つきが悪い、眠りが浅い、ぐっすり寝た感じがしない(睡眠の質の変化)

・食欲や性欲の変化

・体が緊張している感じがする。リラックス出来ない。

・お酒やタバコが増えている。

・重労働をしたわけでもないのに、疲れを感じる。

・音や光に過敏になった。

・ひきこもりぎみになった。

・いつもより精力的に動き回っている。

気持ちのこと

・落ち着かなく、なんとなくそわそわした気分

・悲しく涙が止まらない。

・妙に冷静で感情に乏しく、自分が冷たい気がしてしまう。

・不安や怖さ、孤独感を感じる。

・イライラする、怒りっぽい。

・しないといけないことがあるのに、その気になれない。

・したいことがあるが、悪いような気がする、罪悪感を感じてしまう。

・いてもたってもいられない気分。ハイテンション。


これらの反応は必ずしも全員に起こるということではありませんし、上に挙げた以外にも、様々な体調の変化が起こることもあります。

ここで皆さんに知っておいてもらいたいことは、こういった変化は、ショックな出来事に遭遇した人なら誰にでも起こる自然な反応であるということです。たとえあなたが被災者自身でなく、身体を酷使していなくても、現地の映像を見て、被災者のことを思うことで「心がへとへとに疲労している」のです。悲しさ、怖さ、悔しさ、やるせなさ、もどかしさ、これらの感情は、あなたの心と身体を緊張させ、疲れをもらたしています。

今感じている心や身体の変化は、一時的なものであり、通常は、時間の経過とともに次第に落ちついていきます。自分の状態を知るということは、無意識の緊張や不安感を和らげ、気持ちを安定させることにつながります。「訳がわからない」という状態は、人をもっとも不安にさせ緊張させるのです。

Sun.pngいつもより念入りにセルフケアしましょう

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今のあなたの状態を把握する

先にも書きましたように、人は、大きな出来事を経験する(または見る・聞く)と、様々な反応が心や身体に表れます。
被災地の過酷な状況を知るたびに、多くの人が何かしなくちゃ」と焦る一方で「自分に出来ることは募金と節電くらいしかない...」と、物足りなさを感じたり、無力感に陥っているのではないでしょうか。

この「焦りと無力感」が今の時期、人々に生まれる特徴的な感情だということをまず知ってください。今は、心理的に自分が何かを出来ている手応え(自己効力感といいます)を感じることが非常に難しくなっている時期なのです。

「被災地の人たちと共に頑張りたい」誰もがそう思っていることでしょう。
これを実践するには、あなた自身が「正しく頑張る」必要があります。「正しく頑張る」ためには、まず、自分自身をよく観察し、自分の状態を知ることです。そして自分の疲労度に応じてセルフケアしましょう。

非被災地にいる私たちに出来ること、それは、自分の体調を整え、経済がこれ以上停滞しないように、普段通りの生活を送ることです。いつもより念入りに、優しく自分を扱うことで、消耗していたエネルギーが少しずつ戻ってきます。

正しく頑張るには

「正しく頑張る」には、具体的に何をすればいいでしょうか。

いつもより念入りにセルフケアしましょう

・いつもよりこまめに休憩や休みを取る

・ゆっくりとお湯につかって入浴する

・リラックスできる音楽や香り(アロマオイル)を利用してみる

・テレビの報道を見すぎないように気をつける

・気持ちが乗らない時は、無理をせず家で静かにすごす

・散歩や森林浴など、軽い運動をしてみる

・ペットと触れ合う

・日記をつける

・信頼できる相手に話を聞いてもらう

・不調が長く続く場合は、医師やカウンセラーなど専門家の力を借りる(特に眠れない日が続く場合は、心身ともに大きく消耗しますので、薬で睡眠の質を改善してもらいましょう)



なーんだ、大したことないじゃない、と思うかもしれませんが、これらのことは実際に心のダメージ回復の手助けになります。是非実践してみてください。

自分が自分をケアを出来る環境にいることに申し訳ない気持ちや、罪悪感を抱く方も多いことでしょう。これも大きな災害・事故・犯罪などの後に生まれる自然な感情なのです。「罪悪感を感じなくてもいいのよ」と言われても、きっと自然に湧いてしまうものだと思います。何度も書きますが、大事なことは「今の自分の状態を知ること」です。

焦りや無力感・罪悪感が、ことあるごとにあなたの心に生まれる時期であることを知っておいてください。「時間薬」という言葉があるように、時間とともに必ず和らいでいくものです。自分に「そうか、今はこういう反応があって当たり前なんだ」と語りかけてあげるだけでも随分違ってくるはずです。

ただし、苦しい状態が長く続くようであれば、我慢をせずに専門家の力を借りてください。